親子って、近いからこそ意思疎通できない部分がある。育ってきた環境が違う。年齢の壁がある。倫理や論理の基準も同じじゃない。だから、言葉を尽くせば全部わかり合える、みたいな発想は現実とズレていることがある。むしろ、わかり合えない前提を受け入れたほうが関係は安定する。
そのとき必要なのは、理解力がある側が先に受け入れることだと思う。相手の言い分を正しいと認めるとか、こちらが折れるとか、そういう話じゃない。「そう感じてる」ことを否定しない。そこから初めて、伝えたいことが伝わる余地が生まれる。
そして、これは親子に限らない。上司と部下でも、世代の違う他人同士でも同じだ。立場が上とか、経験が多いとか、言語化できるとか、その差があるほど、先に受け入れる責任はそっちに寄る。理解とは勝ち負けじゃなくて、関係を壊さないための技術かもしれない。