信用経済と持続可能な社会

信用は未来の価値を現在へ前借りする仕組みだ。貨幣が増えるたび利子が時間をせき立て、生産拡大が唯一の出口となる。資源は帳簿の裏づけとして切り出され、市場は収奪速度で企業を選別する。持続性を唱える指標はあるが、割引率の前で優先順位を失う。成長基調を崩さない限り、森林も鉱床も炭素残量も返済期日の前倒し要請に組み込まれ、吸い尽くされる。信用経済は再生能力より早く循環を閉じ、枯渇へ傾斜する。国家は成長率の低下を恐れ、中央銀行は金利を操作して刺激を与える。借り手は返済アラームを止めるためだけにさらに借り入れ、循環は加速する。エネルギー効率は向上しても絶対量は増え続け、資源への依存は指数関数で膨らむ。

持続可能性はスローガンとして会議資料に残るが、財務モデルに織り込まれない。すべてのキャッシュフローは時間価値で割り引かれ、未来のコストは霧散する。こうして信用の重力圏が広がるたび、地球の再生速度は取り残される。やがて与信の総和が生態系の支出限度を越えると、システムは帳簿を修正する代わりにさらに外部を担保に取る。深海、極地、宇宙。未知の領域を資産とみなし、数字を延命する。その先に残るのは、負債の帳簿だけだ。