このサイトの名前にもなっている自分の名前「尚史」について話そうと思う。私の家系は沖縄で中山を名乗る貴族の末裔で、この名前の由来は、三山――中山、北山、南山――を統一して琉球王国を築いた尚巴志王にある。私の一族の家系図は沖縄の大学に保存されていると聞くが、それを手に取ったこともなければ、その由緒の深さを実感する機会もほとんどない。
母方の祖父は沖縄で戦争を経験し、その後、平和記念資料館の設立に携わった。その資料館は現在も存在し、沖縄の中でも非常に有名な場所となっている。母は沖縄の人だが、父は岐阜の出身で、沖縄とは特に縁があったわけではない。しかし、父は母が持つ家系やその歴史に対して深い尊敬の念を抱いていた。その思いが、私の名前に尚巴志王を由来とする「尚史」という名を込めるきっかけになったという。
私の両親は小学六年の頃に離婚し、それ以来、父とは疎遠のままだった。母は私が三十二歳の時に亡くなり、その葬儀の席で久しぶりに父と顔を合わせた。そこで初めて、この名の由来について父から話を聞いた。父が持つ母やその家系、そしてその歴史への敬意が、この名前に込められていると知ったのは、それが初めてのことだった。
今では、自分の生まれた歴史や、それを取り巻く社会情勢、さらには多様な価値観にも関心を抱くような年齢になった。43歳となった今、幼い頃には見えていなかったものが少しずつ理解できるようになり、歴史や文化、そしてそれが自分の中にどう根付いているのかを考える時間が増えた。
こうした背景を持つ自分に「尚史」という名前が与えられたことに、今では深い意味を感じている。その名に込められた思いを知るたびに、自分がこの名の一部として生きていることを誇りに思う。