今日は沖縄慰霊の日。終戦から数えても、なお悲しみと祈りが深く胸に刻まれる特別な一日だ。私の祖父・中山良彦は、沖縄県平和祈念資料館の総合プロデューサーとして、その歩みと声なき証言を後世へ受け渡す場を築いた。住民たちが遺した日記や遺品、語り部の証言を丹念に並べ、悲劇を“誰かの遠い昔話”ではなく“私たち自身の物語”として感じてもらう。その祖父の理念を、私は何よりの誇りに思っている。
今この瞬間も、世界のあちこちで武力による衝突が絶えない。人はなぜ同じ過ちを繰り返すのか?その問いから目を逸らさないためにも、沖縄が経験した戦禍に耳を澄ませることは決して過去を悼むだけの行為ではない。砲弾の雨を生き延びたひとり一人の声に触れるとき、私たちは「命がただの数字ではない」という当たり前の事実を改めて思い出す。そして、いま隣人として共に暮らす人々をどう守り、憎悪ではなく対話を選び取るかを自分自身に問い返すことができる。
沖縄の歴史は、悲しみだけでは語り尽くせない。三線の音が夜空に響く祭の賑わいも、珊瑚礁の海が教えてくれる生命のきらめきも、平和を祈る礎のひとつだ。ぜひ平和危険資料館をはじめ、島々に残る戦跡や文化の息づく町を訪れ、沖縄が抱えてきた痛みと希望の両方に触れてみてほしい。その小さな一歩が、遠い戦場の悲劇を止める力へとつながる。私はそう信じている。