幼いころ、ホームの柵は遠い惑星の輪郭で、私はそこへ跳び移る方法を教えられなかった。
鉄の胎動を孕む列車が闇を切り裂くたび、胸裏の「無価値」は車輪の火花となって散り、
一瞬だけ信号機の緑が頬を撫でる。承認の灯が差す瞬間、死への重力はわずかに解ける。
だが次のトンネルが口を開ければ、愛の空洞は轟音に共振し、
自己嫌悪の客車が死へ向かう線路を滑走する。
その速度こそ私の呼吸であり、止めれば即ち脱線、
動かせば軋みと共に「生」のレールへ再び噛み合う。
承認を求める自我は、非常ブレーキの赤い柄を握りしめ、
「誰か見ているか」と問いかける視線の列柱を窓外へ探す。
応答のない夜景が後方へ溶け去るあいだ、
鉄骨の影は車内へ伸びて自己の形を覆い隠し、
やがて孤独の灯が最後の号音を放つ。
列車はなお疾走する。
死の引力に向かう傾斜と、承認へ斜行する意志の交差点で、
私は震える手をポケットに沈め、次の信号の色を待っている。