芸術とは、ルールや規則から始まるものだと考えている。社会やコミュニティの中で人が学ぶのは、過去の人間たちが積み上げてきた知識の結晶で、それがルールや規則という形をとる。数学や芸術、スポーツにおいても、この積み重ねられた知識にはある種の必然が含まれており、それを学ぶことで人は自身の経験を豊かにすることが出来る。
パブロ・ピカソは「プロフェッショナルのようにルールを学べ。そうすればアーティストのようにルールを破ることができる」と言った。岡本太郎もまた、同じような思想を持っていた。規則を知り尽くし、それを超えていくことでしか真の創造は生まれない。そこにあるのは破壊ではなく、爆発的な表現であり、新たな価値の創造。
例えばデザインを仕事もする私の手から生まれるものは、あくまで既存のルールに則ったものである。それは社会にとって無意味ではないし、連続性の中で必要な行為ではある。しかし、それが「誰にでも代替できるもの」に過ぎないことに、時折虚無を感じる。自分の経験や知識、そして生きた社会から得られる豊かさをデザインに落とし込んだところで、そこには「強い価値」は生まれないのではないか?
ルールを覚え、徹底的に学ぶことで初めて人はそれを超えられる。そしてその先にある「爆発」、すなわちルールの破壊は、単なる逸脱ではなく、積み重ねた知識と経験がなければ起こりえない必然だ。クリエイティブな創造とは、そうした規則と破壊のはざまに立つものであり、その行為にこそ、真の価値があると感じる。